蜂によるアナフィラキシー
- 2023年9月14日
- 皮膚疾患と治療
8月下旬から蜂に刺されて来院される方が増えてきました💦
日本でよく刺されて問題になる蜂として、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類があります。ミツバチは一度刺すと針がちぎれて死んでしまいますが、スズメバチは何度も刺すことができます😢ちなみに、蜂の針は産卵するための管で、刺すのはメスだけです。季節としては、蜂の繁殖期にあたる夏から秋に刺されるケースが増えてきます。
🐝蜂のアレルギーとは?
アレルギー反応として重篤なものにアナフィラキシーがあります。蜂に刺されてからアナフィラキシーが起こるまで、早い人は5分くらいで、ほとんどの人は30分以内に全身症状が出現します。アナフィラキシーをおこすと、蜂に刺されたあとに激しい全身症状が現れ、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることがあります。皮膚の症状としては、蕁麻疹やかゆみ、くちびるやまぶたの腫れがおこります💥
もちろん、アナフィラキシーショックは必ず起こるわけではありません。あるデータでは、ミツバチに1回刺されるとだいたい17%の人が感作(アレルギーとして体の中に記憶されて蜂アレルギーを持つようになること)され、2回目に刺された方では31%に上昇しますが、蜂アレルギーの方がまた蜂に刺された場合でも必ずしも重篤な症状がおこるわけではなく、全身症状が出る確率は20%弱といわれています。特に刺されてから1.2年以内に再び刺されると危険性が高く、さらに一度全身症状がでた人が次に刺されると40~70%の確率でふたたび全身症状が出ると言われていますので注意が必要です😣
🐝蜂アレルギーがあるかどうか?
アレルギーの有無については採血で特異的IgE抗体を測定することができます。特に、職業に関連して蜂にさされるような環境で作業される方など、検査をご希望の場合は、蜂にさされてから体内で特異的IgE抗体が作られるのに数週間かかるため、刺されてからだいたい1か月くらいしてから検査することをお勧めしています。採血の結果で特異的IgE抗体が陽性で、必要と判断された場合にはアドレナリン自己注射薬(エピペン)を処方いたします。常に携帯しておき、蜂に刺されたときに何らかの症状がでたらすぐに打てるようにしておくと安心です。
当院で生活指導やエピペンの処方も行っておりますので、是非ご相談ください。