塗り薬のプロアクティブ療法👆
- 2023年5月16日
- 皮膚疾患と治療
アトピー性皮膚炎の外用薬の塗り方は、症状が出たときに塗る『リアクティブ療法』と、症状が出ないように予防的に塗る『プロアクティブ療法』があります。
アトピー性皮膚炎では、症状がよくなって正常に見える皮膚でも、実は炎症が残っていて、わずかな乾燥や刺激で再び同じ場所に炎症を繰り返しやすい状態にあります。そのため最近では、プロアクティブ療法が推奨されるようになってきました。
★プロアクティブ療法で重要なこと★
その1:現在の症状をしっかり治療する
症状がでている場所にステロイド外用薬などの抗炎症作用のある外用薬を、十分な量かつ十分は範囲でしっかり治療します。
その2:症状が改善してもすぐにやめない
連日外用して症状がよくなっても1週間程度は外用を継続し、その後は1日おき→2日おき→週1.2回、と少しずつ間隔をあけて外用を継続します。
その3:保湿ケアをかかさない
プロアクティブ療法の間も、毎日の保湿ケアはかかさず行う必要があります。
その4:皮疹がでても動じず、早めに対処する
プロアクティブ療法を行っていても、様々な要因でかゆみや皮疹が再燃することがあります。それでも、プロアクティブ療法中では、数日おきに外用しているため、急激に悪化してしまうことは少なく、皮疹が再燃した場合には連日外用にするなど、すぐに対処するようにします。
日々の診療では、よくなっても繰り返してしまう症状にお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。そのような方の中には、「たくさん塗らないほうがよいと思った」、「長い期間塗らないほうがいいと思った」、「よくなったので塗るのをすぐにやめてしまった」、という方が多くみられ、全体的に塗る量が足りなかったり、塗る期間が短すぎてしまう傾向にあると思います。
プロアクティブ療法は、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の診療ガイドラインでも推奨されいる治療ですので、安心して取り組んでいただけるのではないかと思います。
当院では、塗り方や塗る量なども外用療法のご相談も承っておりますので、是非ご相談ください。